『ランニング・マン』ネタバレ感想|手に汗握るエンタメの裏に隠されたメッセージ

洋画

カッチンの映画レビューの時間です!
今回レビューする映画は『ランニング・マン』。

一握りの富裕層と圧倒的貧困層に分断された社会で、1人の父親が娘の治療費を稼ぐため命懸けでハンターから逃走するテレビ番組『ランニングマン』に挑戦し、腐敗した世の中に闘いを挑むストーリーです。

「命懸けで逃走する」っていうのは例えじゃなくて、捕まると本当に命を奪われます。
そんなもの放送できるわけないだろ!って感じだけど、これも映画の良さですね!

原作は超人気作家のスティーヴン・キングが、なぜかリチャード・バックマンで発表した小説で、『トップガンマーヴェリック』のハングマン役で映画ファンを痺れさせたグレン・パウエルが主演を務めています。

こちらの小説は、1987年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で『バトルランナー』として映画化していて、今回が2度目の映画化です。

「リメイクなのかな?」って思ってたんですが、いろんな媒体を見ても『リメイク』っていう言葉を使ってないんですよね。

『2度目の映画化』って言われているので、リメイクではないのかもしれません。
その差がイマイチよくわからないですけど…。

※ここから先はネタバレを含むので、まだ映画を観てない人は鑑賞したら戻ってきてください!

前半は正直テンポが悪かった

カッチンは原作小説も読んでいなければ、1回目の映画化のシュワちゃんの『バトルランナー』も観てません。

『ランニング・マン』を観ようと思ったきっかけは完全にグレン・パウエル一択でした。

『トップガン マーヴェリック』のラストのグレン・パウエル演じるハングマンのシーンが大好きすぎて、そのシーンだけ繰り返し観ているぐらいなので、「配信でいいかな」なんて迷いは一切ありませんでした。

そんな感じで鑑賞した『ランニング・マン』は、『結果的に楽しめた映画』という感じでした!

なぜ『結果的に』かと言うと、前半はハッキリ言って結構つまらなかったんです。

『ランニング・マン』に参加してからの方が断然おもしろかったですね。

ゲームに参加する理由を明確にしなきゃいけないから、仕事を解雇されたり娘の薬代も払えないっていうシーンが必要なのはわかるんですけど、個人的には少し長く感じちゃいました。

もしかしたら製作側も『ランニングマン』に参加してからの方に力を入れ過ぎて、序盤はあまり力を入れて撮ってなかったのかもしれません。

手抜きとまでは言わないけど、家族の描写もちょっと弱かった気がしました。

ただゲームが開始しても、逃走の序盤は意外と何も起きなくてちょっとタルいんですよね。

「そんな安っぽい変装でいいのか!?」ってツッコミつつ笑ってはいたんですけど。

映画の世界に一気に惹きこまれたのは、グレン・パウエルの逃走を助けてくれる奴らが現れてからでした!

マッチョすぎて矛盾を生むグレン・パウエル

グレン・パウエル演じるベンは、ボロいホテルでシャワーを浴びようとしているところを踏み込まれましたが、ここでの逃走劇も凄かったんですけど、それ以上にあまりのマッチョさに驚きを隠せませんでした。

たしかに肉体労働系の仕事をしていた設定なので、筋肉隆々でも不思議じゃないなんだけど…だとしても「いくらなんでもマッチョすぎやしないか!?」と心の中でツッコまずにいられませんでした。

筋肉のつき方がキレイすぎて、明らかにウェイトマシンで鍛えきゃ作れないであろう肉体なんですよね。

たんぱく質も相当摂ってないとあの体は作れないでしょう。
娘の薬代も払えないはずなのに…。

服を脱いでるシーンに限っては、ベンではなく完全にハングマンにしか見えなかったです。

しかもハングマンよりもパワーアップしてた気がする…。
ハングマン好きだから別にいいんですけどね!

フェイク映像の怖さのリアルな描写

ホテルを襲撃されてなんとか逃げ切ったベンは、全方位を敵に囲まれて身動き取れなくなりますが、そこに現れたのが救世主になる黒人の少年でした。

少年はベンを自宅に連れ帰って兄に紹介して、そのまま家に匿ってもらうわけですが、この兄弟の家族の親身になり具合が凄いんですよね。

しかも兄は『ランニング・マン』の裏情報にも精通してるっていう偶然のオマケ付きです。

「このまま匿ってもらって30日間やりすごせそうじゃん!」と思った矢先に、『ランニング・マン』というテレビ番組の恐ろしさが顔を出します。

ベンは言ってもない汚い発言をフェイク映像によって拡散されてしまいます。

匿ってくれている兄弟は若いので気にもしなかったんですけど、兄弟の母親はフェイク映像を信じてしまってベンを家から追い出してしまいます。

このあたりの描写も現代の社会を表しているというか…すっごいリアルだなって感じました。

年配の人の方が入って来る情報をすぐ鵜呑みにしちゃう印象がありますからね。

家で匿えなくなった兄弟はあらたな潜伏先を紹介してくれるんだけど、家を出てすぐに不良たちの襲撃に遭ってる様子が、軽くマッドマックス状態でした。

兄弟はこの襲撃からもベンを守ってくれて、本当にいい奴らでした。

その兄弟が紹介してくれた男も、凄腕なんだけどかなり変わった男で、しかもここでもテレビに洗脳された母親が厄介な存在になるんですよね。

この母親の場合は兄弟の母親と違って、ちょっとイカレてるっていう別の問題があるんですけど。

結局この母親もテレビのフェイク映像にまんまと騙されて、それが元でベンは家で匿ってもらえなくなってしまうんですけど、本当にすごい現代の問題を表してますよね。

フェイク映像っていうのは言い過ぎかもしれないけど、いわゆるオールドメディアとかネットとかSNSとかで、まったく偏ってない情報を得るのが難しくなってるわけで。

でも昔からその問題はあって、ただ単に浮き彫りになっただけって考えることもできるのか…

原作小説を読んでないんですけど、1982年に発表された小説にそのままこういう描写があるんですかね。
だとしたらスティーブン・キング凄すぎです。

フェイク映像を信じ切ってる母親はベンを憎んでいて、結局ベンはこの母親に通報されて新たな潜伏先にもいられなくなるんですけど、通報のボタンを押したのは匿ってくれてた男なんですよね。

このシーンはいまだに謎です(笑)なぜか妙に男らしく警報のボタンを力強く押してましたよね(笑)

この男が只者じゃなくて、家の中に逃げるためのカラクリをたくさん用意していて、ハンターたちをハメまくってたのは観てて楽しかったです。

ちょっと『グーニーズ』を観た時のワクワク感と似てました。

しかもこの男は最後にヘリコプターで追いつめられた時も、自分が犠牲になってベンを逃がそうとするんですよね。

やたらカッコいいんです。

でも「こいつめっちゃカッコいいな」と思ってる矢先に、いきなり頭を撃ち抜かれちゃって、なんとも言えない気持ちになりました。

もしかして笑うところだったんですかね??

ホテルでの襲撃に遭ってからここまでのベンは、実は助っ人に頼り切りなんですよね。

ベンが1人で追跡をくぐり抜ける展開を予想してた人は少々不満だったみたいですけど、ベンは異様にマッチョではあるけど、別にジェイソン・ボーンとかジョン・ウィックと違って一般人なので、カッチン的にはこれぐらいの方がリアルでいいなと思いました。

『ランニングマン』は実はエンタメ作品じゃない?

まったく内容を知らなかったので、初めて『ランニング・マン』のポスタービジュアルを観た時は、かなりのエンタメ映画っていう印象を受けたんですよね。

でも実際に映画を観てみて思ったのは、意外に問題提起だったり、暗に警鐘を鳴らすシーンも多くて、かなり社会派ドラマだったんですよね。

高価な服やアクセサリーを身に着けてる富裕層の女性に対してベンが、「これを買う代わりに娘の薬を買えるのに」的なことを言って、女性が動揺した後にベンの言っていることを理解する流れがあったりしますし。

この女性はベンに協力するって決めたら最後まで徹底して協力しててカッコよかったです。

富裕層と貧困層の格差についても触れてるし、特にメディアの在り方と怖さについては、かなり警鐘を鳴らしていた気がします。

フェイク映像を簡単に信じてしまう視聴者の危うさや、同調圧力の怖さなども描かれていました。

視聴率や人気のためなら何をやってもいいっていうメディアの姿勢も、映画の中でかなり問題視していました。

原作小説読まないとダメですね。
このままの内容が書かれてたら、スティーブン・キングを未来人と思っちゃいそうです。

でも結局は真実はひとつで、大衆はそんなバカじゃないよっていう感じの終わり方も良かったです。

番組プロデューサーがちゃんと痛い目に遭うのは、まさに勧善懲悪って感じで爽快でした。

ベンがスーパーで買い物している妻と娘の前に姿を現すラストも、カッチン的には震えるぐらい最高でした。

鑑賞中に思い出した1本の映画

この映画を観ててテレビ番組の『逃走中』を思い出した人も多かったんじゃないでしょうか。

でもカッチンは番組側が視聴率や人気を取るために、主人公を自分たちの都合のいいように扱おうとする姿を見ていて、『トゥルーマン・ショー』というジム・キャリー主演の映画を思い出したんですよね。

ラストの終わり方も、番組側に一泡吹かせる感じで似ていた気がします。

もちろんに似ていると感じたから不満だったとかではなくて、『トゥルーマン・ショー』も好きだし今回の『ランニング・マン』も好きです。

久しぶりに『トゥルーマン・ショー』観たくなってきました。

ていうか『逃走中』っていうテレビ番組は、もしかして『バトルランナー』を意識して作られたんですかね?

少なからず影響は受けてそうですよね。

映画『ランニング・マン』は序盤こそちょっと退屈さを感じてしまったもののですね、中盤以降は次から次へと物語が展開していって、問題提起的な内容も見応えがあり、結果的に「観て良かった~」と思える作品でした。

それではまた映画レビューでお会いしましょう。
カッチンでした。

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