『レンタル・ファミリー』ネタバレ感想|偽物の家族がもたらす本物の涙!機微と嘘の間にあるもの

洋画

カッチンの映画レビューの時間です!

今回レビューする映画は『レンタル・ファミリー』

日本で細々と俳優活動をしているアメリカ人のフィリップが、ひょんなことから他人の家族を演じて報酬を得る『レンタルファミリー』の仕事を始める。
他人の人生に深く関わる仕事内容に戸惑い、最初は仕事にネガティブな印象を持つフィリップだったが、段々と彼の心に変化が訪れ始め…といった感じのあらすじです。

だいぶ前に映画館でチラシを見かけて気になってた映画でした。

観たい映画が立て込んでいたため、公開から少し経っての鑑賞でした。

ちなみに『レンタル・ファミリー』の直前に『木挽町のあだ討ち』っていう映画を観たんですけど、こちらも素晴らしい映画でした。

『レンタル・ファミリー』はSNSでもすこぶる評判が良かったので、かなり期待して観たのですが、本当に素敵な映画でした。

※ここから先はネタバレが含まれますので、まだ観てない人は鑑賞してから戻ってきてください!

日本らしさ溢れる心温まり過ぎる傑作

『レンタル・ファミリー』は全編日本ロケが敢行されているだけあって、スクリーンから日本らしさが滲み出まくっていました。

そして日本らしさはビジュアルだけじゃなくて、最初から最後まで漂っている空気感にも溢れていました。

ストーリーの中にもブレンダン・フレイザーが日本特有の機微に戸惑いを隠せないシーンがあったり、娘のお受験を迎えた母親の体裁を整えようとする姿勢にも日本らしさが出ていた気がします。

しかも作品全体に『情緒』がものすごくあったんですよね。

ブレンダン・フレイザーが自分のアパートの部屋から向かいのマンションを眺めるシーンでは、そこに映る様々な人間たちの様子も情緒に溢れてました。

正直カッチンは「みんなカーテン閉めなさ過ぎじゃない!?」って心の中でツッコんでましたけど。
だってあまりにも部屋が丸見えなんですもん。

でもほのぼのしててとってもいいシーンでした。

最初は「レンタルファミリーの仕事は他人の人生を狂わせる仕事だ」って思って拒絶反応を起こしたブレンダン・フレイザーが、途中から社内の誰よりもクライアントに親身になっていく姿が素敵でした。

いや、クライアントには親身になってないですね。むしろ距離感が近くなり過ぎることでクライアントからは迷惑がられてました。

ブレンダン・フレイザーがレンタルファミリーの仕事を開始して、最初の森田望智さんの旦那さん役を演じる姿を見た時は、「先々のことを考えるよりも、今この一瞬が幸せなら確かにいいのかもなぁ」ってしみじみ思いました。

この旦那さん役の案件って森田望智さんの立場からしたら、「じゃあ3年後はどうするの?」「両親のどちらかが亡くなってお葬式に出席するってなった場合はどうするの?」とか、先々のことを考えたら不安だらけなんですよね。

ていうかレンタルファミリーの仕事って、基本的に「この瞬間を有意義なものにする」こと限定なんですよね。

クライアント側も先々のことを考えた途端、オファーできなくなっちゃうと思うんです。

カッチン的には「今この時を大切にする」っていう考えに大賛成だから、「レンタルファミリーの仕事ってとっても尊いな」っていう印象でした。

帰宅した後に空っぽな気持ちになったりもしそうだけど、帰宅したらその時にまた1人で楽しめることをすればいいんだと思います。

なんだか毒にも薬にもならないカッチンの人生論みたいになってきちゃったので、そろそろ話題を変えます。

最初から危うさを感じた『父親役』

お受験のために父親役を演じることになったブレンダン・フレイザーでしたが、娘がなついていくに従って「これはまずいことになるのでは…」ってハラハラしてました。

ゴーマンシャノン眞陽っていう子役が娘役を演じててて、演技がめちゃくちゃうまくて驚いたんですが、何より最初に登場したした時に、ぱっと見が『エスター』の子役に見えて一瞬ドキッてしちゃいました。

『エスター』怖すぎだったので…。

授業参観で親が来れなかった生徒のところに行って、ブレンダン・フレイザーに「この子の父親役もやって」って言ったシーンは「なんていい子なんだ!」って思って、涙が溢れるぐらい感動してしまいました。

この出来事を受験の面談でブレンダン・フレイザーが話した時も、またまたウルっとしちゃいました。

結果的にはいい方向にいった父親役だったけど、この案件は母親の無責任さを感じました。

たぶん受験が終わったら適当な言い訳をつけて、父親がどこかに行ってしまったことにすればいいやって感じだったと思うんです。

下手したらその後のことをまったく考えてなかったんじゃないかって気さえします。

ブレンダン・フレイザーが俳優だってわかった娘の質問に対しても、まさかの無視を決め込んでレストランを予約しようとしてましたからね…。

さすがにあの時は「鬼!!」って声を出しそうになりました。

「ブレンダン・フレイザーも情を持ちすぎてるな〜」って危うさを感じ始めた矢先に、刑事ドラマのオーディションに合格するわけですが、この話を断った時はすごく複雑な気持ちになりました。

単純に娘が傷つかないで済むっていう思いと、この行動の結果って悲しい結末しかないんじゃないかっていう思いがカッチンの中でせめぎ合ってました。

ていうかレンタルファミリーの仕事を始めた以上、俳優として成功するとマズイことなっちゃうんですよね。

目立てば目立つほど矛盾が生まれる可能性が高いわけで…。

でもブレンダン・フレイザーが何者なのかを、母親が娘にちゃんと打ち明けて謝ったことで、事態が好転しただけじゃなくて、母親も人間的に成長する機会になって娘との関係も今までよりも良好になったんですよね。

ブレンダン・フレイザーが雇われて父親役をやってたってわかった後に、再会することを許してるのがまさにその証だったと思います。

受験の面談の時のブレンダン・フレイザーの発言にも感動させられました。

一線を超えた柄本明との旅

旬をすぎた大御所俳優を演じた柄本明さんは、もうさすがの一言でした。

この人の演技って本当に唯一無二って言葉がぴったりですよね。

取材をする記者役を演じることになったブレンダン・フレイザーが、柄本明がどんな役者だったかを勉強するために、過去に出版した本を読むんですけど、その本のタイトルが『無芸』っていうタイトルで、あまりにも柄本明さんが本当に出版しそうな本のタイトルで笑っちゃいました(笑)

表紙のテイストもすごい本当にありそうな感じだったんですよね。

認知症が始まってしまっていることがわかるお好み焼き屋のシーンは、見てていたたまれない気持ちになりました。

天草に連れて行くことに最初は前向きじゃなかったブレンダン・フレイザーの想いが変化したのは、認知症の行動を目の当たりにしたことも少なからず影響している気がしました。

『脱獄』って名付けて天草行きを決行する2人ですが、柄本明さんがブレンダン・フレイザーの用意した衣装を断って自分で選んで着た衣装は、声を出して笑っちゃいました。

柄本明さんとブレンダン・フレイザーの2人のシーンは、「ここが良かった!」って逆に言いにくいぐらい全部好きでした。

強いて言えば、やっぱりかつての家にたどり着いて2人で湯呑み茶碗で祝杯をあげるところですかね。

帰り道で倒れた時は肝が冷えましたが、カッチン的にはもし逝っちゃってたとしても、家に引き籠もったまま逝っちゃうより幸せだったんじゃないかなって気持ちもありました。

結果的に生きてて無事に自宅には帰れるんですけど。

ブレンダン・フレイザーの行いは社会一般的には暴挙といえる行動だったわけですけど、結果的に会社の方針を一気に変えることになって、しかも社員たちの絆もすごく深まるっていう最高の形になって、まさに信念の勝利っていう感じでした。

それにしても…レンタルファミリーの社長がまさか偽の家族の中で暮らしてたとは…ネタバレを知った時は背中に冷たいものが走りました。

社員2人が弁護士のフリをして柄本明さんの元を訪れて、さらに社長が刑事のフリをして現れたシーンは胸がほっこりしました。

完全に違法だと思いますけど(笑)

レンタルファミリーは有意義な仕事?

気になって調べてみたら、レンタルファミリーみたいな仕事って実際にあるみたいですね。

距離感さえ間違えなければ、寂しさを埋めたり困ってる人を助けられたり、カッチン的には有意義な仕事なんじゃないかって思いました。

というかカッチンにもできる仕事内容があるなら、やってみたいって思いました。
きっと大変だろうし、実際に行動に移すかはわかりませんが…。

案件によっては道徳とか倫理観とかも関係してくるだろうなってリアルな問題もチラついたり…。

ブレンダン・フレイザーが父親のフリしてる受験の面談のシーンも、実際にやったら相当マズイですよね(笑)

でも劇中にもそういった感じのセリフがあったけど、誰も傷つかずに誰かが幸せになるなら、嘘も捨てたもんじゃないですよね。

いい意味で捻りがなくてわかりやすい映画で、とっても心温まる映画でした。

エンドロールが終わった後もゆっくり席を立ちたくなる作品でした。

あんまりゆっくりすると清掃するスタッフさんの邪魔になっちゃうから、気持ちゆっくりってぐらいにしておきましたけど。

皆さんの『レンタル・ファミリー』の感想も知りたいので、コメント欄で教えてくれると嬉しいです!

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