カッチンの映画レビューの時間です!
今回レビューする映画は『水は海に向かって流れる』。
高校生になった直達は学校に近い叔父の家に居候することになるが、駅に迎えに着たのは榊と名乗る謎の女性だった。直達が連れてこられたのは叔父を含めた曲者ばかりが住むシェアハウスで、なんだかんだ楽しい日々を過ごし始めた直達だったが、実は直達と榊の間にはただならぬ因縁が渦巻いていて…といった感じのあらすじです。
『終点のあの子』という映画を観て以来、當真あみさんという女優さんがとっても気になってるので鑑賞しました。
まったく何の知識もいれずに観たので鑑賞後に漫画が原作って知ったのですが、たしかに言われてみると漫画っぽい内容かもって思いました。
超個人的な偏見ですけど、シェアハウスの物語ってなんか漫画って感じがするんです。
レビューに入る前に言っておきたいのですが、久しぶりに広瀬すずさんの出演作を観たんですけど、美人すぎて出てくるたびに「完璧な顔してるなぁ」ってしみじみ思っちゃって、一瞬ストーリーから離れる現象が起きてました。
しかもカッチン的には當真あみさんと広瀬すずさんが似てると思ってるので、2人が姉妹のようにも見えてしまいました。
いきなりすっごい浅いこと言ってすみませんね。
それではちゃんとレビューを開始します!
※ここから先はネタバレを含むので、未鑑賞の人は観てから戻ってきてください!
たいしたことが起きないのになぜ面白い?
不倫した者同士の子供が偶然に出会うっていう設定がまず凄くて、純粋に「よくこんな設定思いつくな〜」って感心しちゃいました。
不倫が原因で母親に出ていかれた広瀬すずさん演じる榊が大人になりきれず、引きずり続けて恋愛から遠ざかって生きてるんですけど、これってネガティブな言い方をすると単に「こじらせてる」だけなんですよね。
直達がシェアハウスに来てからも、「子供は関係ないし悪くない」って言い聞かせながらも、やっぱり人間だからそんなにキレイに割り切れるわけじゃなくてって感じなんです。
映画の中で生瀬勝久さんが「千紗ちゃんは16歳で時が止まってるんだ」的なことを言うけど、この言葉がまさに言いえて然りって感じでした。
この広瀬すずさん演じる榊の葛藤が物語の核になってるわけですけど、そう考えると実はあんまり大した話じゃないんですよね。
もちろん過去につらい思いをしてるのはかわいそうなんだけど、起きた事実は変えられないわけで…。
何が言いたいかと言いますと、実は大したことない話じゃない?って思いながら観てたにも関わらず、この映画めちゃくちゃ面白かったんです。
笑いどころもたくさんあって、切ないシーンとの落差が見事なんです。
まず脚本がすごく良いと思いましたし、原作の漫画も面白いんだろうなって映画を観てて自然と思っちゃいました。
そして何より登場人物たちのキャラが立ちすぎなんです。
濃いのにうるさくない登場人物たち
『水は海に向かって流れる』に登場するキャラクターたちは、ひとり残らずこれでもかっていうぐらいキャラが立ってるんです。
広瀬すず演じる榊は心に傷を負ってることもあってか無愛想ではあるものの、根は優しい感じなのでもしかしたら1番まともかもしれません。
でもまともだったらいくら怒ってても、人間の鼻めがけてお盆を投げない気がしないでもないですけど…(笑)
漫画家のおじさん役の高良健吾さんに関しては、これまで見たことないキャラに仕上がってて、中盤ぐらいまで高良健吾さんだって気が付かないレベルでした(笑)
女装して占い師をしてる戸塚純貴さんは見るからにキャラクターの濃さをアピールしてる感じなんですけど、不思議とそこまでぶっ飛んでるように見えなかったんですよね。
たぶんシェアハウスの中にいる時の佇まいが普通だったからじゃないかなって思います。
発言も「たしかに!」って思わせられることが多かったですし。
戸塚純貴さんの妹を演じた當真あみさんも登場人物の中ではまともだったので、兄妹揃ってまともだった気がします。
大西利空さん演じる直達に猛烈に恋するあまり、ちょっとおかしなことになってましたが、思春期に恋い焦がれたらそうなっても仕方ないよねってレベルでした。
めちゃくちゃモテる役を演じてた當真あみさんですが、説得力がハンパじゃなかったです。
北村有起哉さんが直達のお父さんってわかった時の當真あみさんの、「ええ〜」って言いながら去る演技も面白かったです。
でも面白いだけじゃなくて、広瀬すずさんに「恋がうまくいかないのを人のせいにするな」って言われた時の、涙をポロポロこぼす演技は圧巻でした。
悔しさと恥ずかしさと情けなさが混じってる感じですごくリアルでした。
大西利空さん演じる直達は最初こそまともなキャラクターかなと思ったんですけど、途中からあまりの天然ぶりに脅かされっぱなしでした。
無愛想を絵に描いたような広瀬すずさんに向かって「彼氏いるんですか?」って聞いたり、明らかに自分に気がある當真あみさんに向かって『恋愛しない宣言』をしたり、悪気がないことをいいことにやりたい放題でした。
そして直達のお父さんを演じた北村有起哉さんも最高すぎました。
最初に広瀬すずさんが千紗だって気づいてから、お盆を投げられるまでの卑怯な男の感じとか、お盆が直撃した後に高良健吾さんと當真あみさんに包帯を巻かれてる時も、あまりに巻き続ける高良健吾さんに対して「もうそれぐらいで」って繰り返してるのは爆笑しました。
広瀬すずさんの父親を演じた勝村政信さんも、少ししか出番がないのにしっかり爪痕を残しててさすが過ぎました。
中盤に出てくる「寝取った男と寝取られた男が談笑しながら歩いてるシーン」はめちゃくちゃ笑いました(笑)
しかも勝村政信さんの正体を知った後の北村有起哉さんのお芝居も最高なんですよね。
コメディ要素がもたらすシリアスの重み
『水は海に向かって流れる』はシリアスに描いてもおかしくないシーンでも、コミカルさをとっても大切にしてる印象でした。
広瀬すずさんが北村有起哉さんに怒りの感情をお盆と一緒にぶつけるシーンもコミカルだし、不倫してた相手に連絡を取ろうと昔の携帯電話を探してるところを見つかった時の、北村有起哉さんと奥さんのシーンも面白く仕上がってました。
當真あみさんが自分の気持をわかってくれなくて気持ちを爆発させるシーンも軽やかで良かったし、面白くできるところを面白くする努力を怠ってないから、シリアスなシーンがより心に響きました。
原作のマンガもかなりコミカルに描かれているんですかね?
このあたりが『水は海に向かって流れる』がありきたりな作品にならなかった大きな要因じゃないかとカッチンは思いました。
『罪悪感をなくすため』に超納得
北村有起哉さんが広瀬すずさんの母親の居場所を探偵を使って見つけた後、広瀬すずさんが直達に言った「なんであいつの罪悪感をなくすために私が会いに行かなくちゃいけないの?」みたいなセリフはかなりハッとさせられました。
これって普段の生活の中でも起きてることだと思うんですけど、本当にその通りですよね。
あんまり気にしたことなかったけど、「言われてみるとたしかに…」って妙に納得してしまいました。
坂井真紀さんが演じてた広瀬すずさんの母親の方が、妙に開き直ってて自分の罪悪感を薄めたいっていう願望が全然ありませんでした。
レストランで鉢合わせたシーンは気まずさマックスでしたけど。
でも直達がお金を巻き上げてそのまま募金箱にツッコんだシーンは超スッキリしました。
3万円分の卵を買うのかとヒヤヒヤしてたので、募金して安心しました(笑)
他にも時の経過とともに猫ちゃんが大きくなってるのも良かったし、あと當真あみさんの同級生役で南琴奈さんが出演してたのも驚きました。
當真あみさんと『終点のあの子』っていう映画で共演してて、印象に残ってる女優さんだったので。
あと、坂井真紀さんの家に行った時に子供が「アメリカンドリーム!!」って言いながら何かを投げつけるんですけど、「アメリカンドリーム!」ってなんなんですかね?
どなたかわかる人いたら教えてください!
『水は海に向かって流れる』はたくさん笑えて最後にはほっこりできる素敵な映画でした。
皆さんの感想も気になるので、鑑賞した人はぜひコメント欄で教えてください。



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