『ジャッキー・ブラウン』ネタバレ感想|大人と中二病の駆け引き!タランティーノ色は薄め?

洋画

こんにちは!カッチンの映画レビューの時間です!

今回レビューする映画は『ジャッキー・ブラウン』

クエンティン・タランティーノ監督の映画ですね。

武器密売人が隠し持つ大金を巡って、客室乗務員と保釈保証人と連邦捜査官、そして密売人本人が織りなすスリリングな駆け引きと騙し合いが見どころの映画です。

あまり知識を入れずに鑑賞したんですけど、すぐにいつものタランティーノ監督らしさがないというか、「これはちょっと微妙じゃないか?」という感覚になりました。

そのあたりも深掘りしていくので最後まで楽しんでくださいね。

※ここから先はネタバレを含むので、まだ鑑賞してない人は観てから先をご覧下さい。

感じた違和感の正体は?

映画を観始めて「なんかタランティーノ監督の映画っぽくないなぁ」ってすぐに思いました。

テンポも良くないしわちゃわちゃ下らない会話をするシーンもないし、空気的にも「おや?」っていう違和感を感じたんです。

鑑賞後に『ジャッキー・ブラウン』がタランティーノ監督唯一の「原作小説がある映画」っていうことを知って、「だからか!」って妙に納得しました。

エルモア・レナードっていう作家の『ラム・パンチ』という小説が原作みたいです。

タランティーノ監督が自分の色を出すよりも、原作小説の世界観をすごく大切にしてる感じなんですよね。

だからポップなノリもほとんどないし、他のタランティーノ監督映画を比較して演出もかなり控えめだったんです。

つまらなかったわけじゃなくて、それなりに楽しめた映画ではあったんですけど、カッチン的にはタランティーノ監督らしさ全開の方が好みなので、正直物足りなさは感じた作品でした。

大人と中二病の対決?

サミュエル・L・ジャクソンを筆頭に、こちら側の登場人物はロバート・デ・ニーロもブリジット・フォンダも、みんな大人になりきれてない感じなんです。

サミュエル・L・ジャクソンは特に大人になるのを拒んでる感じで、デ・ニーロは刑務所に入ってたせいで世間とのズレがあって、しかも元々天然っぽい感じで、全然成熟した大人じゃないんですよね。

デ・ニーロはカッとなってブリジット・フォンダ演じるメラニーを有無を言わさず撃っちゃうぐらいなので、成熟の成の字もありません。

ブリジット・フォンダは2人に比べたら実際若いけど、それでも思い通りにならないとムッとした態度をすぐに出すから、やっぱり大人じゃないんです。

そのせいで命まで落としちゃうし。

対するパム・グリア演じる主人公のジャッキー・ブラウンと保釈保証人を演じたロバート・フォスターは成熟しまくってる大人なんです。

感情的になることも全然ないし、なにより恋模様も抑えた感じで、まさに大人の中の大人って感じでした。

結局ジャッキー・ブラウンと保釈保証人が駆け引きに勝つ様子を見て「やっぱり感情的になっても何もいいことないんだな」って人生論まで教わった気分になっちゃいました。

この2人は最後の最後まで大人で普通にカッコよかったです。

ジャッキー・ブラウンが保釈してもらった後に、保釈保証人とどこか店に入るってなって「なるべく暗い店がいい」って言うんです。

理由を尋ねられたジャッキー・ブラウンは一言、「ひどい顔をしてるからよ」って言うんです。

こんなセリフ、大人じゃなきゃ吐けないですよね!

めちゃくちゃカッコいいし、いつか言ってみたいと思ってチャンスを虎視眈々と狙ってます。

そんなジャッキー・ブラウンに対してサミュエル・L・ジャクソンはすぐに感情的になってまくし立てて喋るシーンばっかりだったので、意図的な対比にも感じました。

この対比はビジュアルにも現れてて、ジャッキー・ブラウンは客室乗務員の制服以外にもスーツを買ったり大人っぽい服を好んでて、保釈保証人はポロシャツにスラックスで髪型もTHE・オッサンって感じです。

でもサミュエル・L・ジャクソンは顎ヒゲを長く伸ばして、頭が薄くなってるにも関わらず長髪にしてて、老いに抗おうとしてるのが透けて見えるんですよね。

髪が薄いのに伸ばしてるから落ち武者みたいになってて、カンゴールの帽子脱いだ時に思わず噴き出してしまいました(笑)

やっぱりデニーロは怖かった

ロバート・デ・ニーロはルイスっていう刑務所帰りの悪党を演じてますが、中盤までは正直「デニーロが演じる必要なくない?」って思ってました。

これといった見せ場もないし、基本的に無口でセリフも少ないしで、デニーロの無駄遣いぐらいの印象だったんです。

ただショッピングモールの試着室でのすり替えのシーンあたりから、一気に印象が変わりました。

万が一捕まって刑務所に戻りたくないプレッシャーなのか、ミスしてオデールに始末されることを恐れてるのか、厳つい見た目とは裏腹にテンパってて余裕がない感じになってて、段々と何をしでかすかわからない雰囲気を出し始めるんですよね。

そして駐車場で、自分をバカにしてくるメラニーにいきなり銃弾を2発撃ち込むクレイジーさを発揮するっていう…。

まさか撃つとは思ってなかったので、このシーンは心臓止まりそうになりました。

しかも「一言も喋るな」って言った後に「わかったわ」っていう返事に対してブチ切れるっていう…もうめちゃくちゃですよ(笑)

よく考えたら「メラニーは信用できるのか?」ってオデールに聞いたりしてたから、やっぱり刑務所に戻るのを極度に恐れてたのかもしれないですね。

作戦会議の時はボーっとしてたのに…豹変した時の差がすごくて怖かったです。

車の中でメラニーを撃ったことをデニーロが告白した時に、「生意気だったから」っていう理由を聞いたサミュエル・L・ジャクソンが驚きながら「諭すとかあるだろ!?」って言うんですけど、「諭す」ってワードが無性におもしろかったです(笑)

絶対言わなそうなワードじゃないですか?

これは日本語訳の問題かもしれないですけど(笑)

最初は「デニーロが演じる必要あるかな?」って感じた役でしたけど、デニーロが演じたからこそ印象に残る役になってましたね。

『グッドフェローズ』とか他の映画でもそうなんですけど、デニーロって怒鳴ったりしないのに超怖いオーラを出すんですよね…。

『マイ・インターン』のベンを同じ人が演じてるとは思えないです…。

緊迫感MAXのさすがの演出

サミュエル・L・ジャクソンが、裏切られる前にジャッキー・ブラウンを始末しようと自宅にやってくるシーンは、観ててめちゃくちゃ緊張しました。

緊迫感の中で画面が分割されて、保釈保証人と、サミュエル・L・ジャクソンとジャッキー・ブラウンのやりとりが左右に映し出される演出が、さらに緊迫感を盛り上げてくれました。

最近の映画ってこの画面分割の演出をあんまり見かけない気がするんですけど、もはや古いって感じなのかな?

個人的には結構好きです。

あとジャッキー・ブラウンが試着室を出た後に「メラニーにお金を持ち逃げされた!」ってモールでテンパる演技をしながら捜査官のレイを呼び出すシーンも、カメラワークがカッコよかったです。

ジャッキー・ブラウンの周りをグルグル回る感じでアップを撮り続けてて、ドキドキ感を上げてくれる効果を発揮してました。

ほかにも保釈保証人の後ろ姿がものすごくピンボケしてる演出も斬新で印象に残ってます。

ところどころの笑いは原作通り?

小説の映画化ってことで、いつもよりタランティーノ監督らしさの薄い映画ではあったんですけど、クスっとしてしまうセリフはところどころに散りばめられてました。

保釈保証人のアシスタントは隠れてる人物の居場所を探すのが超得意で、サミュエル・L・ジャクソンの隠れ家もあっさり見つけてしまいます。

「どうやってこの場所を知ったんだ?」って尋ねられた保釈保証人が、「アシスタントに調べさせた」って答えるんです。

この答えを聞いたサミュエル・L・ジャクソンが普通に「すげえな」って言うんですけど、このやりとりが面白すぎて声を出して笑っちゃいました。

普通だったら心の声なんですよね(笑)

こういうちょっとした笑いはしっかりある作品でした。

こういったやりとりは原作小説にはなくて、タランティーノ監督が脚本にする時に足してるのかなって勝手に想像してたんですけど、もしかしたらサミュエル・L・ジャクソンのアドリブかもしれないですね。

『ジャッキー・ブラウン』はいつもほどのタランティーノ色は薄いものの、映画としては充分楽しめました。

ただ上映時間が155分あって長いし、テンポがあまり良くないで、少々長く感じたのが正直な感想です。

終わり方まですべてが「大人~」って感じでした。

皆さんの感想もコメント欄で教えてもらえると嬉しいです!

それではまた映画レビューでお会いしましょう。
カッチンでした。

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