『エディントンへようこそ』ネタバレ感想|極限のカオスが鳴らす警鐘か?それとも皮肉?

洋画

こんにちは!カッチンの映画レビューの時間です。

今回レビューする映画は『エディントンへようこそ』

多くのコアなファンを持つアリ・アスター監督の映画で、ホアキン・フェニックスが主演を務めています。

コロナ禍の中、ロックダウンされた小さな町で行われた市長選挙がエスカレートしすぎて、とんでもない事態に発展していく物語です。

※ここから先はネタバレを含むので、未鑑賞の人は鑑賞してから戻ってきてください!

次から次へと迫りくるカオス

一言でいうと『カオスの極み』といった感じの映画でした。

小さな町の保安官を演じるホアキン・フェニックスがスーパーで市長から「マスクをしろ!」ってキレられたことをきっかけに、「納得いかねぇ!だったら俺が市長やるわ!」って市長選に立候補することを決めて、スマホを使ってSNSで立候補する場面から物語が動き出します。

この『スマホを使って』っていうのが、この映画の大事な部分になってます。

現代社会の風潮+ロックダウンが重なってみんな四六時中スマホを触りまくってるから、ホアキン・フェニックスの市長立候補表明は瞬く間に広がっていきます。

ホアキンは結婚してて奥さんがいるんですけど、奥さんもスマホを触りまくってるから、夫が市長選に立候補したことをすぐに知ってブチ切れます。

奥さんは現在の市長と過去に男女の関係になってひどい扱いを受けたらしいんですけど、これは彼女の母親が言い張ってるだけで本人は否定してるので真実はわかりません。

ここら辺からカオスな感じが漂ってきて、さらにこの妻と母親は陰謀論にハマってて、中盤からはイケメン宣教師の組織に傾倒していくという更なるカオス状態に。

こういう状態に陥るのも、スマホを四六時中触って色んな情報を入れ過ぎてるせいとしか思えなくて、現代社会の闇を感じました。

でもここまでのカオスはまだまだ序の口で、この後に上限なしのカオスの極み状態が繰り広げられます…。

皮肉な笑いにクスっとさせれられる

市長選って言っても演説とかして競い合うわけじゃなくて、自分たちでCMとかを作ってアピールする程度で、現市長が優勢のまま選挙戦が進んでいきます。

ちょうど町では若者たちがブラックライブズマターっていう黒人のための運動で盛り上がってて、保安官のホアキンは部下を連れて駆けつけます。

ホアキンの部下には黒人の保安官もいて、若者たちが黒人保安官に向かって黒人の権利について叫んでて、黒人保安官が困惑の表情を浮かべてるのがおかしかったです。

形だけで内容をあまり理解してない若者の姿が、『ワンバトルアフターアナザー』のディカプリオの役と少し被りました。

彼も革命の内容を知らずに参加してる感じだったので(笑)

切り取り動画の恐怖

ホアキン演じる保安官は、若者たちをなだめるために少し押したりするんですけど、その映像が大げさに拡散されて、しかも少し前にバーからホームレスを出そうとした映像も掘り返されます。

バーのホームレスに関しては最終的にホアキンがもみ合いに負けてぶん投げられるのに、そこまでは映ってなくて、横暴な保安官っていう動画に仕上がってるんです。

これも現代社会の恐怖であり「あるある」ですよね。

あんまり考えずに行動しちゃう保安官の責任も少しはあると思うんですけど、なにより切り取られた映像を大多数の人たちが簡単に信じちゃうっていうのが怖いですよね。

ホアキン・フェニックスの怖すぎる目

奥さんがイケメン宣教師に心酔して家出してしまい、市長選も思うようにいかなくて踏んだり蹴ったりのホアキンは、畳みかけるように現市長に屈辱を味わわせられます。

この時に彼の中で何かが弾けちゃうんです。

何かが弾けちゃったのが、ホアキンの演技に滲み出てるんです。

車を運転してるホアキンの表情が超怖いんです。

怒りの感情も見えないというか…なんかもう『素』なんです。

「何をしでかすかわからない目ってこういう目だよね」って感じなんです。

結局ホアキンは現市長を息子を道連れにする形で亡き者にしちゃうんですけど、「あの目ならやるだろうな」って思ってたので、ここはあまり驚かなかったです。

でもその後に自分がやった罪を部下になすりつけようとしたのは、予想外で怖かったです。

市長の家がちょうど郡の境目にあったせいで、自分たちだけじゃなくて他の管轄の保安官も捜査に加わるんですけど、この保安官の名前がバタフライっていう妙にカッコいい名前なんですよね(笑)

このバタフライは超優秀な保安官で、結構簡単にホアキンの悪事を見抜くんだけど、その頃にはさらに世の中はとんでもないことになっててカオス状態に。

このバタフライが命を落とすシーンは、あまりにあっさり過ぎて驚きました。

もしかしたらこの映画の中で1番「えっ!?」って思ったかもしれないです。

現代社会を嘲笑してる?それとも警鐘を鳴らしてる?

1本の映画の中で色んなことが起きすぎて、しかも1つ1つがしっかり繋がってる感じで、歯止めなくエスカレートしていく様子がまさにカオスの極みでした。

でもめちゃくちゃなように見えて、人間の弱さや怖さ、同調圧力とか本音とか建て前とか、行動の中に隠れてる矛盾とかが描かれている映画にも感じました。

誹謗中傷とかSNS依存の怖さを表してる作品だと感じつつ、警鐘を鳴らすというよりかは現代社会を俯瞰で見て嘲笑してるような印象もありました。

こういうのをブラックユーモアっていうんですかね?

本当に色んなことが次から次に起こるから、最後まで疾走するって感じ飽きずに観られました。

ただ大衆向けの映画では間違いなくないと思います。

たぶん日本では興行収入あんまり良くないはず。
世界ではヒットしたのかな…。

内容的にも日本人よりもアメリカ人の方が刺さる内容だと思います。

かなり特殊な映画を観たって感じでした!

皆さんの感想もコメント欄で教えてくれると嬉しいです。

それではまた映画レビューでお会いしましょう。

カッチンでした。

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