こんにちは!カッチンの映画レビューの時間です!
今回レビューする映画は『港のひかり』。
漁師としてひっそりと暮らす元ヤクザの男が交通事故で視力を失った孤独な少年と出会い、年齢差を超えた特別な友情を築いていく物語です。
藤井道人監督が舘ひろしさんを主演に迎えて撮った映画で、撮影監督は大御所の木村大作さんです。
映画館で予告を観た時からTHE・東映という感じがプンプン漂っていて、あえての昭和感が気になっていました。
「この昭和感がいい方向に向かってればいいな…」と希望を込めて、劇場に足を運んできました。
※ここらから先はネタバレを含みますので、未鑑賞の人は鑑賞してからご覧ください!
しっかり感動は与えてくれる映画
「たぶん感動する映画なんだろうな」と思いながら観に行ったんですが、予想通りしっかり感動させてもらいました。
舘ひろしさん演じる三浦が少年・幸太に買ってあげた鈴の使い方がとってもよかったです。
出所した三浦のアパートに赴いた大人になった幸太が玄関で鈴を鳴らすシーンは、すごく素敵な演出だと思いました。
2人がドアを隔てて鈴を鳴らし合ってる場面は思わず涙が込み上げてきたんですけど、ぶっちゃけ泣くほどの感動はここのシーンだけでした。
旅行先の屋台みたいなところで買った鈴なんですけど、幸太が買おうとするけどお小遣いが全然足りないんですよね。
三浦が店員に「差額は自分が出すから」って目と手だけで合図を出して、店員が幸太が払える金額を伝えるんですけど、この屋台の店員さん、いくらなんでも気が利きすぎじゃないですか?(笑)
カッチンだったら、あの程度の合図でそこまで絶対わかってあげられる自信がないです。
幸太の財布にいくら入ってるか知ってるぐらいの気の利きようでビビりました。
『港のひかり』はこういう「映画だからいいだろ?」的な演出が多くて、この鈴を買うシーンの違和感はまだまだ序の口だったんです。
思わず噴き出したコントみたいな演出
舘ひろしさんが椎名桔平さんに呼び出されて、覚悟を決めてアパートを出ていくシーンにも度肝を抜かれました。
命を捨てる覚悟が見える演技をしながら、舘ひろしさんが玄関を開けて何歩か歩き出したところに、市村正親さん演じる刑事が車で現れて、なんとか思いとどまらせようとするシーンですね。
車が現れるタイミングがグッドタイミングすぎて、さすがに噴き出してしまいました。
せっかく固唾を飲んで観てたのに「ウソだろ?」って一気に現実に戻された感じでした。
待ち伏せしてて玄関を開けたら市村正親さんがいるとか、せめて後から舘ひろしさんを追いかけて引き留めようとするっていう方が良かった気がします。
現場で誰もツッコまなかったのかなって思っちゃいました。
逆にすごい印象に残ったシーンになってます。
たぶん画が撮りたかった?
木村大作さんが撮影監督ということで、『港のひかり』は雲間から光が差し込んでいる空のカットだとか、こだわりを感じられる画がたくさんありました。
「藤井監督と木村大作さんの現場での様子や関係性ってどうだったかのかな」って映画を観る前から勝手に気になってたんです。
やっぱり大御所だけに藤井監督が気を遣う感じだったんですかね?
「これは藤井監督の意向なのか?」とちょっと思ってしまったのが、クライマックスの『幸太が三浦に手錠をかけるシーン』です。
倉庫みたいなところを出て、ものすごい大雪の中で、幸太がひざまずく三浦に手錠をかけるシーンですね。
「なんで外に出たんだ?」っていう疑問が浮かぶと同時に、「これは大雪の中で手錠をかける画を撮りたかっただけじゃないか?」って思っちゃいました。
醒めるようなこと言ってごめんなさいね。
完全に勝手な想像ですけど、画へのこだわりが優先された印象を受けてしまいました。
そもそも美談なのか?という疑問
三浦が幸太の目の手術費用のために、かつて所属してた組のクスリの取引現場を襲撃して500万円を奪うシーンについても、「これって果たして素敵な行いなんだろうか?」って引っかかってしまいました。
三浦は取り引き後に現金を受け取った外国人をドスで襲って金を奪って、さらに警察に密告して組員たちを逮捕させるわけですけど、「いくらなんでも身勝手すぎるだろ」ってちょっと引いちゃいました。
組員を逮捕させるのはまだいいとしても、いくら悪いことをしてるとはいえ襲われた外国人たちは何も関係ないですからね。
「とばっちりとはこの事だ」状態なわけです。
襲われた外国人にも病気の子供がいて、仕方なくヤバい仕事してたのかもしれないじゃないですか…。
勝手に想像を膨らませ過ぎかもしれないですけど、さすがに美談だとはまったく思いませんでした。
出頭すればいいってものでもないと思うし。
凄くいいシーンなのに…矛盾してない?
なんだかネガティブな感想が続いてしまって申し訳ないんですけど、まだ他にもあるんです。
三浦が仲の良い刑事から「なんであの子のためにそこまでするんだ?」って聞かれるシーンです。
聞かれた三浦は「あの子は、元ヤクザの自分にも平等に接してくれました」みたいなことを言うんですけど、普通なら確かにとってもいいシーンだと思います。
たぶん予告でもこのセリフは使われてた記憶があるんですよね。
ただですね、映画を観ると幸太は三浦が元ヤクザって聞いた時に嫌悪感を抱いてるんです。
そこで三浦は「自分はヤクザを相手にしてる刑事だったんだ」みたいなことを言うんです。
つまり嘘をつくんですよね。
元ヤクザっていうのを気にしないで接してくれたんじゃなくて、元刑事って嘘をついたから変わらずに接してくれてたってことですよね…。
カッチンの勘違いだったら申し訳ないんですけど、そんな流れだった記憶なんです。
なのでこのシーンは観てて普通にびっくりしました。
12年も泳がせるか!?
ピエール瀧さんはお芝居も素敵だったし、ラストもとにかくカッコいいんですけど、椎名桔平さん演じる組長・石崎の発言にまたしても「ウソだろ!?」って思ってしまいました。
椎名桔平さんはピエール瀧さんが舘ひろしさんと裏で繋がってることを知ってたけど、舘ひろしさんを仕留めるタイミングが来た時のために、12年間ピエール瀧さんを泳がし続けてたって言うんです。
12年間ですよ!?いくらなんでもすごくないですか!?
忍耐力ハンパじゃないなって笑いそうなりましたし、何より自分の身が明日どうなるかわからない世界で生きてるはずなのに、12年間も待つのか?っていう疑問も浮かんじゃいました。
12年はすごいですよ。さすがに怒りも醒めると思うんですよね…。
狂気のままが良かった椎名桔平
椎名桔平さんは狂気をまとった組長を好演していました。
『アウトレイジ』の椎名桔平さん演じる水野が好きだったので、今回の組長役はなんだか嬉しかったです。
何をしでかすかわからない感じで周囲に恐怖を与え続ける演技が本当に素晴らしくて、何より凄いカッコよかったです。
ただ、これは完全に個人的な願望なんですけど、最後の最後に人間味を急に出すのはちょっと微妙でした。
舘ひろしさんに対して「俺だって賢くなんてなりたくなかったよ!」って苦しそうに想いを吐露するシーンです。
もちろん「彼ももがいてたんだ…」ってグッとくるシーンでもあると思うんですけど、個人的にはクレイジーな組長のままが良かったんですよね。
椎名桔平さんはきっと台本に忠実に演じただけなんでしょうけど、無理やり見せ場を作ったようにも見えてしまいました。
あと、側近の斎藤工さんはビジュアルが振り切っている割にはあまり怖さを感じられなかったです。
ただこれは『孤狼の血LEVEL2』の鈴木亮平さんを見てから、カッチンのヤクザ役のハードルが高くなってるせいもあると思います。
あ!一ノ瀬ワタルさんの先輩刑事役は、似合っててとっても素敵でした!
1番良かったシーン
映画に対してたくさんツッコミを入れてしまったんですけど、良かったシーンももちろんあります。
『港のひかり』には岡田准一さんが友情出演していますが、舘ひろしさんと岡田准一さんが車内で話すシーンが凄くよかったです。
派手さはまったくなくて、岡田准一さんがこれまでの自分の人生を話すだけのシーンなんですけど、妙にリアルで見入っちゃったんですよね。
岡田准一さんって今はアクションのイメージがかなりついてると思うんですけど、こういう普通の芝居をしてる時の方が個人的には好きです。
藤井道人監督とは『最後まで行く』で一緒にやってて、木村大作さんとは『追憶』や『散り椿』で一緒にやってるんですよね。
藤井監督とは『イクサガミ』の方が今は有名になってますけど、『最後まで行く』は超面白かったです。
『港のひかり』は感動するシーンはあったものの、ツッコみたくなったり気になるシーンも正直たくさんあった映画でした。
でも昭和感があって懐かしい気持ちにさせてくれる作品だったので、観て良かったと思ってます。
皆さんの感想もコメント欄で教えて下さいね!
それではまた映画レビューでお会いしましょう。
カッチンでした。


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