カッチンの映画レビューの時間です!
今回レビューする映画は『禍禍女』です。
狂うほどに片思いをしていた早苗は、恋の相手を禍禍女に奪われる。
怒りに燃えた早苗は持ち前の狂気と重すぎる愛で、禍禍女の真相に迫る。
といった感じのあらすじです。
お笑い芸人のゆりあんレトリィバァさんが初監督を務めて話題になった作品ですが、さすがといった感じでかなり異色な映画に仕上がっていました。
普通の映画監督には出せないであろうゆりあんさんならではの色が、ふんだんに出ている映画でした。
主役の早苗を演じるのは南沙良さん。
斎藤工さんや田中麗奈さんや鈴木福くんなどの絶妙なキャスティングに加えて、ホラー映画ということで好井まさおさんに清水崇監督、さらに『極悪女王』でゆりやんさんと親交を深めた唐田えりかさんと白石和彌さんも、友情出演的な感じですが出演していて楽しませてくれちゃいます。
※ここから先はネタバレを含むので、未鑑賞の人は注意してください。
ただのホラー映画じゃない理由
カッチンはホラー映画が苦手なので、鑑賞前は「大丈夫かな」ってビクビクしていたんですけど、ホラー映画としての怖さはあまりなかったので助かりました。
個人差はあると思いますが、夜寝れなくなったり、シャンプーする時に目を瞑るのが怖くなるタイプの恐怖は、たぶんそこまで強くないです。
これでめっちゃ怖かった人いたらごめんなさい。
「ホラーなのに怖くないって、それって映画としてつまんないってことじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんが、まったくそんなことはないです。
ちゃんと面白いので安心してください。
意外と言ったら失礼かもしれませんが、『禍禍女』は「あ!そういうことだったのか!」というオチがしっかりある作品なんです。
ゆりあんが監督だからビビらせつつふざけ倒すみたいな展開もあり得るかなと思ってたんですが、全然そんなことなくて、脚本がとってもしっかりしてる印象の映画だったんですよね。
ホラーの要素はもちろんたくさんあるんだけど、サスペンス要素も強いんです。
映画を観ている最中は怖がるっていうよりかは、普通に禍禍女の正体が気になり続ける感じでした。
オムニバス形式で見せるテンポ感
『禍禍女』はオムニバス形式で物語が進みますが、この形が見事にハマっていました。
男たちが禍禍女によって仕留められていく同じ展開なのに、短編集のような構成のおかげで全然飽きませんでした。
ゆりあんならではの笑いの要素がこれでもかと散りばめられているのに、満腹感じゃない腹八分目みたいな感覚になれました。
途中から南沙良さん演じる早苗が禍禍女の真相に迫っていく展開も、物語が1本に繋がる感じで見やすかったです。
オムニバスの最初の禍禍女による被害者は鈴木福くんでしたが、素敵なやられっぷりを見せてくれています。
なんでオシッコ止まらなくなったんですかね?(笑)
最近だと『#真相をお話しします』と『ほどなく、お別れです』も、似てる構成だったけど、ジャンルによってはもっと深堀してほしい欲が出ちゃうので、合うかどうかは作品による気がしますね。
その点『禍禍女』はこのオムニバス形式がバッチリ成功していたと思います。
禍禍女と吉田百合花の真相
禍禍女の正体は吉田百合花という女性の怨念だと思っていたのに、彼女が普通に生きていたのはかなり衝撃でした。
吉田百合花の実家に行った田中麗奈さんが、「まずは仏壇に手を合わさせてください」って言って、お母さんが「はあ?」って顔するやりとりは思わず笑っちゃいました。
しかも本人がちょうど帰ってきますし。
この吉田百合花が縁切りの大木に、恋の相手の名前が書かれたラブレターを鎌で打ちつけたのが、禍禍女の呪いの発端になったわけで、さらにその現場を目撃した冴えない男子が真似をし続けたことで、禍禍女の被害がどんどん広がっていったっていうことだと思うんですが、ひとつ気になることがあるんです。
縁切りの大木に最初に鎌を打ちつけて禍禍女の発端を作ったのは吉田百合花ですが、その後は冴えない男子が鎌で打ちつけまくっていたから、2人目以降は吉田百合花は関係ないっていう認識なんですが、禍禍女の風貌が吉田百合花っぽいのはなぜなのか??
たまたま風貌が似ているだけで吉田百合花は関係ないのか?それとも発端になったから吉田百合花の怨念みたいなものがずっと関わり続けているのか?
その辺りが謎のままでした。
霊媒師を演じた斎藤工さんも、絶命する間際に吉田百合花の名前を口にするんですよね。
吉田百合花とは一切関係ない家族の除霊に来ていたはずなのに。
カッチン的には禍禍女の被害者の2人目以降は、吉田百合花とは関係がないと思っていたんですけど、それだと腑に落ちないところがあるんですよね。
誰かこのあたりを解説してくれる方がいたら、コメント欄でぜひお願いします。
禍禍女の仕留め方が北村匠海状態だった…
超デカくて怪力の持ち主の禍禍女ですが、男の仕留め方がかなりエグかったです。
この映画の中で一番グロいと思ったのが、目玉をくり抜かれている描写でした。
クライマックスで南沙良さん演じる早苗が縁切りの大木を爆破した時に、しっかり大木から目玉がたくさん飛び出てきて、それもまたグロかったです。
カッチンは『禍禍女』を渋谷ヒューマックスシネマという映画館で観たんですが、この映画館では『愚か者の身分』も鑑賞してるんです。
ホームにしている映画館は他の映画館なので、『禍禍女』は『愚か者の身分』以来の渋谷ヒューマックスでの鑑賞だったんです。
『愚か者の身分』では北村匠海さんが目玉をくり抜かれるわけで、まさか同じ劇場で2連続で目玉をくり抜かれる描写を見るとは…って感じでした。
戦々恐々としたのは言うまでもありません。
怖いのは呪いよりも人間の嫉妬?
禍禍女に亡き者にされた男たちは、幸せそうな人生を送っている様子が許せなかった赤の他人によって呪いをかけられたわけですが、発端になっているのが嫉妬心というのが、この映画の肝であり1番怖い点だと思いました。
しかも完全なる逆恨みですからね…。
ファミレスで幸せそうに食べるのが怖くなりますよ。
あの嫉妬に狂った男子は吉田百合花が縁切りの大木に鎌で打ちつける現場を目撃して、それから真似をするようになったわけなんですけど、なんであんな所でパン食べてたんだろう?って笑いそうになりました。
家に帰って食べればいいのに。
この冴えない男子の動機って、現実の世界でも悲しい事件を起きてる原因になったりしてますよね。
そう考えるとこの映画のテーマってかなり深いよなぁなんてことも思っちゃいました。
南沙良さんがぶっ飛んだ演技を披露してくれているので、そういった説教臭さはまったくないんですけどね!
南沙良の体当たりの向こう側
主役の早苗を演じた南沙良さんですが、かなりぶっ飛んでました(笑)
たぶんカッチンは南沙良さんの演技を初めて観たと思うんですが、最初に見たのがこの映画での演技っていうのは良かったのか悪かったのか…。
狂気的に片思いをしている早苗を演じたわけですが、美大生ということで自宅には恋の相手のオブジェみたいなのがたくさんあって、しかもそれぞれのポーズはやたら前衛的で、まんまと笑ってしまいました。
他にもいろんな装置が家の中にあったけど、完全にゆりやんの笑いって感じでした。
中盤以降で南沙良さんが自宅で踊り狂うシーンがありましたが、ここも完全にゆりやんの色が出ていて、たぶん実際にゆりやんが踊ってみせて演出したんじゃないかと思います。
めちゃくちゃゆりやんっぽかった。
ものすごく体を張った演技を見せてくれて、拍手を送りたいです。
「事務所がよくOK出したな」って思ってしまうぐらい、体当たりで演じていました。
間違いなくこの映画の功労者だと思います。
最後の最後まで一貫して狂っていて最高でした。
ゆりあんらしさが出ていたホラー映画
映画『禍禍女』は、伏線を回収する感じでオチが明かされる映画なので、普通に見応えがあって面白い作品でした。
ゆりあんさんが監督ということで面白い描写が多数散りばめられていますが、シリアスに比重をおいて作っていたとしても、面白い映画だったんじゃないかと思います。
でも普通に作ったらゆりあんさんが監督をする意味がなくなってしまうので、今回のような作りで良かったです。
たぶん他の映画監督では思いつかないであろう演出も多かったです、
独特の世界観が展開されていて、新鮮さに溢れていて観ていて楽しかったです。
斎藤工さんのラストも衝撃的でしたし。
霊媒師の斎藤工さんが「相手が強大すぎるから少なくとも霊媒師が7人必要だ」って言ってたのに、結果的に自分を入れて3人しか集められなかったのも地味に面白かったです(笑)
そういえば映画全体の映像がすごくフィルム感があるというか、昭和のホラーのようなテイストだったんですよね。
あの映像の質感は監督のゆりあんさんのこだわりだったのか…それとも本人がまったく関与していない点なのか…ちょっと気になるところです。
映画の中で好井まさおさんと清水崇監督が対談していたり、登場人物が観ているホラー映画に唐田えりかさんや白石和彌監督が出演していたりと、嬉しくなっちゃうサプライズもある作品でした。
映画『禍禍女』はゆりあんらしさがしっかり出ている、充分楽しめる作品でした。
なんの知識もなく観ていたら、鑑賞後に「監督誰だろう?」と調べていたと思います。
それぐらい独特でした。いい意味で。
ゆりあんさんの次の監督作も観たいという気持ちです。
気になるけど鑑賞していないという人は、ぜひ観てみてください。
ご覧になった方はコメント欄で感想を教えてくれると嬉しいです。
それではまた映画レビューでお会いしましょう。
こちらのホラー映画も感動出来て素敵な作品でした。



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