『ほどなく、お別れです』ネタバレ感想|素敵な映画だけど泣けなかった理由

邦画

カッチンの映画レビューの時間です!
今回の映画レビューは『ほどなく、お別れです』

亡くなった人と会話できる能力を持つ主人公が、葬儀に強いこだわりを持つ葬祭プランナーにスカウトされて、様々な葬儀を経験しながら成長していく物語です。

映画館で予告を観た時から「これはかなり泣いてしまいそうだな…」と気になっていた映画でした。

前売り券を買う機会はそんなにないんですけど、この作品は前売り券を買って公開してすぐに鑑賞してきました。

※ここから先はネタバレを含みますので、まだ鑑賞してない人は観てからもどってきてください!

素敵な映画なのに泣けなかった理由

映画自体はとっても素晴らしい作品だったと思います。

主演の浜辺美波さんも目黒蓮さんも素晴らしい演技を見せてくれていました。

素敵な映画だったし出演者の演技も素晴らしかったのに、実は思いのほか泣けなかったんです。

別に斜に構えて冷めた目で観ていたわけじゃないですし、興醒めしてしまうシーンがあったわけでもないんです。

むしろ映画としてはとっても良くできてると思ったし、お世辞抜きで素敵な映画だったと思います。

ラストもとっても好きな終わり方でした。

じゃあどうして泣けなかったのか?っていうことなんですけど、自分なりに考えた結果ですね、いくつかの原因に辿り着きました。

映画全体が同じテイスト過ぎた

まず1番大きな原因だと思ったのが、『ずっといい話で、ずっと同じテイスト』だったことです。

終始しんみりしてて、ずっと悲しい空気感が漂ってたんですよね。

葬祭プランナーのお話だから当たり前と言えば当たり前なんですけど、そのせいで感情の振り幅が生まれなかった気がします。

たぶんですけど、コミカルなシーンをもっと挿入してくれてたら、泣けるシーンで一気に泣けたんじゃないかと思います。

緩急をあんまり感じられなかったんですよね。

「緊張と緩和」が足りなかったことで、あんまり感情が揺さぶられなかったのかなって感じました。

例えば『兄を持ち運べるサイズに』という柴咲コウさんとオダギリジョーさんが出演している映画があるんですけど、この作品は死を扱うテーマではあるものの、コミカルなシーンがすごく多いんです。

軽やかさの中にシリアスなシーンが来るから、一気にガーン!って感情が揺さぶられて泣けてくるんですよね。

実際にこの『兄を持ち運べるサイズに』を鑑賞した時は、まったく泣くと思ってなかったのに号泣してしまったんです。

カッチン自身が「これは泣くだろうな」って構えてなかったのも大きいかもしれないですけど。

個人的にはこの点がかなりもったいなく感じました。

目黒蓮さんの淡々とした演技がとっても良かったので、台本や演出次第でいくらでも笑いを生めた気がします。

豪華すぎる出演者が逆効果に?

『ほどなく、お別れです』は、浜辺美波さんが葬祭プランナーの見習いになって、目黒蓮さんと一緒に様々な家族の葬儀を経験していく物語です。

そのため葬儀を行う家族が何組か登場するんですけど、このキャスティングが豪華すぎるんです。

冒頭から、亡くなる女性の役が古川琴音さん、その夫を演じているのが北村匠海さんという豪華さです。

しかもせっかくこのお2人を起用しているのに、出番が本当に少しなんです。

短い中でとっても素敵な演技を見せてくれているんですけど、どうしても見ていてもったいなさを感じてしまいました。

他にも志田未来さんに渡邊圭祐さん、野波麻帆さんに原田泰造さんなどなどですね、とにかくすっごく豪華で贅沢なんです。

カッチンだけかもしれないんですけど、豪華さに「うぉぉ!」って反応してしまって、物語に入り込めないひとつの原因になってた気がします。

さらに浜辺美波さんの両親が永作博美さんとか鈴木浩介さんとか、本当にとにかく豪華なんですよね。

しかも本当にちょっとしか出番がない目黒蓮さん演じる漆原の奥さんは、新木優子さんが演じています。

あんまり出番が少ないから、新木優子さんに似てる人かなって思ったぐらいです。
とっても重要な役ではあるんですけどね。

社長役の光石研さんは全然ありだったと思います。
社長のあったかい雰囲気が光石研さんにすごく合っていて本当に素敵でした。

あと、森田望智さんの起用もかなり気になりました。

この女優さんって超演技派で知られていると思うんですけど、ビックリするぐらい見せ場がなかったんですよね。

「なんでこの役にわざわざ森田望智さんをキャスティングしたんだ?」って普通に疑問を持ってしまいました。
もちろんもったいないって意味でです。

三谷幸喜さんの作品でもよく感じることなんですけど、キャストが豪華すぎると焦点が合わなくなるというか…逆効果になることがあるんですよね。

夏木マリさんに関しては、声を聴くと『千と千尋の神隠し』がどうしても浮かんできてしまうんですけど、これは完全にカッチンの個人的な問題です。

ひとつの家族をもっと描いてほしかった

キャストが豪華なだけに、ひとつひとつのストーリーをもっと深掘りしてほしい欲もでてきてしまうんですよね。

もちろん葬儀を行う家族にはそれぞれしっかりストーリーがあって描かれてはいるんですけど、やっぱり2時間の中で描くっていう制約があるので、どうしても足早に感じてしまいました。

この部分もすごくもったいなく感じました。

すべての家族の物語に言えることですが、生前の描写がもっとあったらと思わずにいられませんでした。

ただ映画だとどうしても難しいっていうのもわかるので、テレビドラマとかでもありだったんじゃないかとも思いました。
そうしたら1つ1つのストーリーをより丁寧に描けますし。

もっと理想を言うと、例えば北村匠海さんと古川琴音さん夫婦の話しだけで、1本の映画を作ってほしかった気持ちもあります。

普通に素敵な映画になりそうですし。

シリーズ化して、1つの家族ごとに映画1本ずつ作る流れも観てみたかったです。

あくまで理想ですけど。

カッチンがとっても素敵な映画だと感じながらも泣けなかったのは、今挙げた理由があったからだと思います。

浜辺美波と目黒蓮の演技

続いて主演の浜辺美波さんと目黒蓮さんについてですが、とっても素敵な演技で魅了してくれましたね!

浜辺美波さんはすごくナチュラルな感じで演じてて、等身大といった感じですごくリアリティがありました。

役柄にすごく合っていました。

目黒蓮さんは淡々としている役なんだけど、奥深さがしっかりあって、悲しい過去を背負っている役を過度な表現をしないで見事に体現してた印象です。

基本的に感情を露わにしない役だけに、奥さんを亡くした時のお芝居の差がすごくて、このシーンでは思わず涙がこみ上げてきました。

葬祭プランナーの所作とかも凄く様になっていたので、かなり役づくりされたのが伝わってきました。

浜辺美波さんと目黒蓮さんの演技にエゴ的なものがまったくなかった点も、とっても素敵でした。

こういう感動映画だと、観客を泣かそうと力む芝居を目にすることもあるんですけど、ただただ役柄を生きてるって感じで、そんな要素がまったくありませんでした。

この映画を観て、お2人とも本当に素敵な役者さんだなって改めて思いました。

素敵な映画だと思ったのは本心なので、もしガラッと空気が変わるコミカルなシーンがあったら、カッチンも嗚咽するぐらい泣いていたと思います。

そうそう!鈴木浩介さんのお芝居も素敵でした。
抑えてるのに凄く感情が伝わってきて胸に来るものがありました。
表情見てるだけで感動してしまう演技でした。

もはや名人のような光石研

カッチンは光石研さんが大好きなんですが、今回の『ほどなく、お別れです』でも相変わらずの素敵な演技を見せてくれていました。

葬儀会社の社長役を演じた光石研さんの演技、すごくあったかかったです!

しかもあったかいだけじゃなくて軽口を叩く時もあったりして、リアリティが半端じゃなかったです。

社長ということで会社経営のために色々と大変な面があるのに、葬儀にこだわりを持つ目黒蓮さんを見守る感じとか、成長していく浜辺美波さんを見守る感じがとにかく素敵でした。

眼差しとか空気感にあったかさが滲み出てて、これはもう内面から生まれているものだと思います。

「名バイプレーヤーの名をほしいままにしている名優は違うな」って改めて痛感しました。

この葬祭会社の社長が、『カイジ』の石田のおっさんや『アウトレイジ』の五味を演じている俳優と同一人物だなんて、にわかには信じられないです。

もちろん見た目は同じなんだけど、それでも別人に見えるって演技力が凄すぎるってことですよね。

カッチン以外はみんな泣いてた

『ほどなく、お別れです』は終始あたたかさに包まれてて、目黒蓮さんや浜辺美波さんを始めとした出演者の演技も素晴らしく、全体的にとっても素敵な映画でした。

あくまでカッチンが泣けなかっただけで、、SNSでは号泣したという感想を多く見かけました。

カッチンと同じ上映回を鑑賞した他のお客さんたちも、みんな泣いている様子でした。

(そうなるとカッチンの感受性が欠落しているのかと心配になりますね…)

死を扱うテーマでありながら、希望をくれる映画という点が特に素敵でした。

ご覧になった方はぜひコメント欄で感想を教えて下さいね!

それではまた映画レビューでお会いしましょう。
カッチンでした。

最近観たこちらの映画も素敵でした。

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